スタジオブログ

2008年06月01日

設計ゲーム


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鳥の目、虫の目 第13話
「設計ゲーム」
 

こんにちは。ASJ会津スタジオの長谷川 光一です。

設計とは建築家が挑む答え探しのゲームのようなものかもしれません。

●ゲームにはルールがあります。
 この場合は、場と人と心の要求、そして工事予算がルールといえます。
場のルールとは、敷地、接道、方角、気候風土などの外的条件。
人のルールとは、建て主と家族構成、年齢、性別、健康状態、仕事、趣味嗜好、生活リズムなどの内的条件。
心のルールとは、欲しい空間、したい暮らし、何をどこに置く、何をどこに仕舞う、広さ高さ形と色などの抽象的条件。

●ルールの変更や追加は度々起こります。
 プレイヤー(設計者)のルール変更は、現実的に不可能な内容が出た場合。あちらを立てるとこちらが立たない。要求の矛盾。この時は審判(建て主)によく説明をして、妥協点にあたる新ルールを決めて進めます。
 突然審判の側からルール改正を知らされることも多々。住いの情報が増えてくると、建て主の感性はどんどん磨かれるもの。これを追加したい。やっぱりあれは止めることに決めました。こういう新しいモノがあるそうですね、などなど。
 こんな時はプレイヤーの意義申し立ても認められます。但し、イエローカードまで。レッツプレイのコールが出れば、気持ちを立て直してゲーム続行あるのみ。でないと、レッドカードで退場になってしまいます。

●定石は先手必勝。
 巧みなプレイヤーになると、常に建て主の気持ちを予測して、先手を打っていきます。そう思ってこのようにしてあります!施主のかゆい所に手が届く。常に先攻を続けることが勝利の定石。方針が変われば、昨日の傑作も潔く忘れ、次の作戦を考えます。
 
●ゲームセットは勝った時のみ。
 プレゼンテーショんンを進め、各ステージを次々とクリアし、最終ステージで建て主が納得し満足したところでゲームセット。
このゲームは降りない限り終わらず、勝たない限り終わらない。ゲーム放棄はあっても、続ける者に負けはなし、いつまで続くか勝つまでゲームです。

●ゲームに勝って勝負に負ける。
審判(建て主)が、あなたは勝ちと言えば、とりあえず勝ちです。時には不甲斐ない勝ち方もするでしょう。もっと良い提案があったかもしれない。人知れず悪い反省が残ったなら、それは条件を克服する想像力の勝負に負けたことになるのです。そもそも完全勝利など出来ないのかも。だから建築家は意欲を持って次なるゲームを探すのでしょう。

●プレイヤーを苦しめてこそ名審判。
 建て主は名審判にならなくてはいけない。プレイヤーに甘いようではいいゲームは作れない。苦戦の末に勝ちを与えなければ、いい家は誕生しないのですから。


■過去の「鳥の目、虫の目」記事
第12回 安全な階段
第11回 素直な素材選び
第10回 4面の壁の使い方
第9回 システムキッチン
第8回 和室とは何でしょう 
第7回 収納を考える
第6回 気配を伝える暮らしの中の言葉
第5回 住宅と外観デザイン
第4回 天然素材の楽しみかた
第3回 器に合わせてモノを決める
第2回 トイレと広さのはなし
第1回 見れば欲しくなる症候群


Koichi Hasegawa

投稿者 staff : 08:00

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